国造ゆず生産者/組合長 塚田 良三さん
更新日:2019年5月28日
したいこと、能美市だったら叶うかも
国造ゆず生産者/組合長
塚田 良三さん
ゆずとの出会い
今から70数年前、小学生の頃ですけども、私の祖母が、この地区に嫁入りしていたんです。昔は丁度この11月の今頃、秋の仕事が終わると里帰りというものがあって、生まれた所へ戻りました。その時にこのゆずを持ち帰り、ゆず味噌(味噌とゆずを合わせたもの)を作って私に食べさせてくれました。その時の美味しさが忘れられなかったことが、このゆずを作るきっかけになったわけです。
塚田良三さん(2018年11月11日撮影)
塚田さんのゆず味噌。炊きたてのごはんにのせて。(2018年11月11日撮影)
国造地区〜ゆず造りに適した地域
ゆずは柑橘類なので非常に寒さに弱いです。暖かい所の果物です。しかし北陸でもこの国造(こくぞう)地区は山村地帯で山に囲まれており、北風が当たらないところに民家が並んでいて、その庭先に昔から必ず1本か2本のゆずの木があり、もしかしたらこの地帯はゆずに適しているんじゃないかということで、30年ほど前、ここにゆず団地をつくったわけです。
ここのゆずは2種類あって1つは木頭(きとう)という大きなゆずです。もう1つは多田錦(ただにしき)と言って、それよりもっと小さく種無しで果汁が非常に多いゆず。その2種類が作られています。植え付けから農薬は使用しないということと、有機質、例えば家で採れた米ぬかや鶏糞。それからこの地域は動物園が近くにありますから動物の堆肥と放牧場もあるので牛糞堆肥を肥料としてやっております。全て肥料は有機質肥料を使っています。
収穫までに18年
ゆずというのは、あの昔からこういうことわざがあるんです。
「桃栗3年柿8年、ゆずの大馬鹿18年」と言ってね、植えた方が亡くならないとゆずがならないというほど生育の遅い果物なんです。ここはだいたい2.4ヘクタールほどあって700本のゆずの木が植えられているのですが、一番やっかいなのは豊作の年と不作の年、表年と裏年がものすごく極端なんです。豊作の年はだいたい10トンほど採れますが、不作の年は3トンぐらい。だいたい3分の1ですね。残念ながら今年(取材は2018年)はちょっとその裏年に当たっています。少しでも採れたらいいですけどね。
国造ゆずを収穫中の塚田さん(2018年11月11日撮影)
ゆず造りにおいて楽しい部分と難しい部分
ゆずは香りがいい、それから、どんな食事にも使えます。私どもは食卓に置いて全てのものにかけています。みなさんにも、ぜひゆずを使っていただきたいです。しかし、そんなゆずにもただ1つ欠点があります。鋭いトゲです。トゲがあるので、収穫に非常に困ります。時間がかかります。革手袋をこのようにしているんですけども、破れるんです。それほど収穫に非常に苦労します。
ゆずというものは見てわかるように、普通の果物とは葉っぱが違うんです。ハート型がダブルになっているんです。それで私はダブルハートと呼んでいます。この葉っぱと鋭いトゲがこのゆずの特徴なんです。それでも、このトゲがあることで、カラスとかトンビという大きい鳥が天敵となる小さい鳥は、身を守るためにこの枝の中で巣をつくるんです。春先に剪定に行きますと、ウグイスの声が聞けて大変和やかな気分になります。
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