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北村 康司さん

登録日:2019年9月27日

北村 康司さん

自分を活かすための場所であり、活かされる場所の存在がこの能美市にある上出長右衛門窯だったんです。

 現在の九谷焼上出長右衛門窯に来る以前は、都内の大手スポーツジムでインストラクターをされていた北村さん。

「絵は好きでしたね。幼稚園の時から、描いた絵を郵便局に何年も飾ってもらったりとか、そんな記憶があります。当時の優先順位は絵よりも体を動かすことの方が上でした。小学校では野球部、サッカー部、陸上部、地元のソフトボール。そして中学校のサッカー部、全てのチームでキャプテンを務めました。体を使うことは常にやっていて、高校はその延長線上で、強い所でチャレンジしたいっていう思いがありましたね。」

 その思いは、瀬戸貴幸選手などプロのサッカー選手も輩出する強豪、熱田高校入学へ。1年生からの試合出場にもかかわらず、進級で美術の方に。「とはいえ、スポーツはずっとやってました。それと予備校や大学でヌードデッサンや人物を描いたりするのに必要な、解剖学を学んだりしたことが、スポーツジムでも役に立ちました。お客さんにはマニアな方もおられるので、プロとしてお客様のご要望に添えられるよう勉強しました。」

 そんな北村さんに転機が訪れたのは、2013年頃、受験生時代からの親友で、当時すでに窯元を継いでいた上出惠悟さんが作品展示のため上京した時のこと。北村さんの粘土作品を見て「うちで作ればいいじゃん」という話に。それからの3年間で14回ほど作品づくりで能美市に訪れ、移住を決心。

「街の第一印象は『ここがあの松井選手が通った駅なのか!』ですね。野球をやっていた小学生の頃から松井秀喜さんの大ファンだったんです。だから、地元の能美市に来たときには興奮しました。時間をかけて自分のルーツに辿り着いた感覚です。移住後の生活は時間的にゆっくりと感じたり、静かだったり。自然が身近にあるところも僕としてはすごく重要なポイントだと感じてます。僕が通った東京の美術大学は都心から離れた玉川上水沿いにあるんですよ。土とか自然が残っていて、無人の野菜売り場があったり。それが大学時代を過ごした場所の特徴だったのですが、ここではそういう点で繋がってます。自然が豊富で、車を少し走らせると海があり、山があり。自分にとってもそれがすごく息抜きになる。時々、海だけをただ眺めに行ったりすることができる場所なんです。」

北村さんの横顔北村さんと上出さん九谷焼の招き猫説明する北村さん上出さんと北村さん

北村 康司さん

大阪府豊中市生まれ。東京で大手スポーツジムインストラクターとして活躍中、学生時代からの友人で九谷焼 上出長右衛門窯の六代目、上出惠悟氏の勧めもあり、2016年より上出長右衛門窯に。東任田町在住。

九谷焼 上出長右衛門窯

取材日 2019年7月24日

お問い合わせ先

企画振興部 企画地域振興課

電話番号:0761-58-2212 ファクス:0761-58-2291