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下開発茶臼山古墳群

登録日:2020年1月29日

9号墳の埋葬施設
9号墳から出土した鉄製武具

下開発茶臼山古墳群は、辰口丘陵北西縁辺部に位置し、能美平野に向かって北・東・西方向へ派 生する3つの尾根上に分布している。古墳群は尾根ごとにグルーピングされ、これまでの発掘調査に よって東支群8基、西支群10基、西尾根支群10基の計28基が確認されているが、消滅古墳を含める と30基以上で構成される古墳群であったと推定される。
墳形はいずれも円墳で、最大規模の12号墳で直径約19メートルを測る。築造時期は古墳時代中期中葉 から後期前半で、中期後半に造営の盛期を迎える。副葬品としては、古墳群築造の契機となった9 号墳で多種多様に見られ、2基の埋葬施設から出土した計175枚の竪櫛や第2主体部の三角板革 綴短甲・竪矧板皮綴衝角付冑・板錣よりなる帯金式甲冑などが特に注目される。なかでも竪矧板皮 綴衝角付冑は類例の少ない特殊な形式として貴重である。

本古墳群は古墳時代中期に造営された「古式群集墳」と呼ばれるもので、築造の端緒となった9号墳 が畿内中央政権より配布されたと考えられる帯金式甲冑を副葬していることから、その成立には畿内 中央政権が深く関与したものと考えられる。また、造営の盛期を迎える古墳時代中期後半は有力墳 である和田山5号墳(前方後円墳、全長54メートル)の築造や小規模墳の増加など能美地域全体におい ても古墳造営の変革が認められる。

このように本古墳群は、当初より畿内中央政権の関与のもとに造営が行われ、その後の展開過程に おいても当該期の政治的変動を反映する形で造墓活動が行われており、当地域における古墳時代政治史を考えるうえで欠くことのできない古墳群として重要である。

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