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七ツ滝

更新日:2023年4月1日

七ツ滝

 長滝(ながたき)町にある七ツ滝(ななつだき)は、大小様々な7つの滝の総称である。

 上流の「一の滝」から滝浪社(たきなみしゃ)前の「七の滝」まで、標高差が約50mの、変化に富んだ7つの滝が、大小の岩を縫うように約1kmにわたり続いている。

 「一の滝」は落差約8mで、2条または3条で流れ落ちている。

 「二の滝」は「一の滝」から25mほど流れて、落差約12m、幅10mあり、2段に分かれて2条や3条になり、流下する最大規模の滝となり、降雨後には迫力ある水しぶきを上げる姿を見ることができる。

 「二の滝」から5mほど進み、「三の滝」が落差約2mで流れ、「四の滝」が落差約2mを岩に沿って段々に、「五の滝」が落差約3mを岩に沿って流れ落ち、更に15mほど進み、「六の滝」が落差約6mで流れ落ちて、大きな滝壺を造っている。

 「七の滝」は、「六の滝」の滝壺から600mほど集落の中を流れた先の滝浪社前にあり、今では水田への用水取り入れのために改修され、落差約3m、幅7mの人工の滝となっている。改修前は、一番深い滝壺だったとされる。

 明治の郷土史家森田柿園(もりたしえん)が記した『加賀志徴(かがしちょう)』には、幕末の金沢商人小倉有年(おぐらありとし)が訪れた際に、「まだ知らぬ 人に見せばや 神代より 絶えぬ流れの この滝つ瀬を(まだ知らない人に見せてあげたい。神話の時代から流れが絶えない、この滝を。)」と詠んだことが紹介され、有年が描いた『能美郡長滝村滝ノ図』に、滝の大きさや幅などが記載されている。

 自然豊かな名勝地としても知られ、ウグイ・コイ・タカハヤ・アブラハヤ・カワムツなどの淡水魚が生息し、滝の周辺にはキジ・ヤマドリなどの鳥類の他、ニホンカモシカ・リス・ギフチョウなども見られる。また、ウラジオカシ・スダジイ・シロダモなどの照葉樹や多湿を好むシダ植物など200種を超える植物が豊富に確認される。

  周辺には、神社仏閣に関連する遺構や地名が残り、「大滝」と呼ばれた「一の滝」には、ヌシである「大ウナギ」が棲むという伝承が伝えられ、有年の『能美郡長滝村滝ノ図』も、その伝承について紹介している。

 七ツ滝は、新緑・紅葉・新雪などに映える滝の姿が美しく、四季折々の表情が楽しめる自然豊かな景勝地として、古くからの信仰の拠り所として、多くの人々に親しまれている名勝である。

 

七ツ滝へのアクセス方法などはこちら→「能美の自然めぐり」マップ(4MB)(PDF文書)

地図情報

能美市指定名勝「七ツ滝」

能美ふるさとミュージアム
〒923-1121 能美市寺井町を1-1
電話番号:0761-58-5250
ファクス:0761-58-5251