色絵花鳥絵替皿
登録日:2024年11月25日
本作品は、二代泉山が得意とした「花鳥画」の絵替りの組皿だが、素地が2種類ある。口径24.7cm、高さ5.0cmのやや深めの平鉢形の皿と口径26.0cm、高さ1.5cmの浅めの皿である。前者はいわゆる花坂陶石を使用した九谷素地で古九谷のような古格があるやや鼠色を呈した中皿で、15枚ある。後者は乳白手のように白く洋食皿を思わせる平皿となっており、5枚ある。古格のある伝統的な素地のみならず時流に合わせた洋食皿風の素地にも挑戦している点が九谷陶磁史上の研究資料としても高く評価できる。
色絵付けは彩色金襴手にも用いる和洋絵具で克明に花鳥を描いている。その画力は一流画家を凌駕している。前者と後者の素地には孔雀や鶉など同じ構図の物がみられるので、本来別々の組皿として何組か制作して発注者に収めた余剰の作としてまた今後のサンプルとして遺されたと考えられる。
注:二代末川泉山 1897年~1959年