色絵花鳥絵替皿
いろえかちょうえがわりざら
更新日:2025年8月28日
二代末川泉山(すえかわせんざん)が得意とした「花鳥画」の絵替りの組皿だが、素地が2種類ある。口径24.7cm、高さ5.0cmのやや深めの平鉢形の皿と口径26.0cm、高さ1.5cmの浅めの皿である。
前者は、花坂陶石を使用した九谷素地で、古九谷のような古格がある、やや鼠色を呈した中皿で、15枚ある。後者は、乳白手(にゅうはくで)のように白く、洋食皿を思わせる平皿となっており、5枚ある。古格のある伝統的な素地のみならず、時流に合わせた洋食皿風の素地にも挑戦している点が、九谷陶磁史上の研究資料としても高く評価できる。
色絵付は、彩色金襴手(さいしききんらんで)にも用いる和洋絵具で、克明に花鳥を描いている。前者と後者の素地には、クジャクやウズラなど同じ構図の物がみられるため、本来別々の組皿として何組か制作し、発注者に納めた余剰の作として、また今後のサンプルとして遺された物と考えられる。
二代末川泉山 1897年生~1959年没