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いしかわ動物園に行ってきました。

登録日:2020年3月31日

レポート内容は2019年取材当時のものになります。

能美市観光大使の小林奈々絵さん。いしかわ動物園内のネコたちの谷のまえで。(2019年11月27日撮影)

能美市観光大使の小林奈々絵さん。いしかわ動物園内のネコたちの谷のまえで(2019年11月27日撮影)

 

いしかわ動物園は、「楽しく、遊べ、学べる動物園」を基本コンセプトとして、1999年10月9日にオープンしました。子どもたちの夢を育む楽しい学習の場として、緑に囲まれた自然の中で、楽しく、遊びながら動物の生態を観察したり、動物とのふれあいを通じて、自然保護や動物愛護の精神が学べる動物園です。23ヘクタールの敷地内に、自然の地形を生かしながら動物たち本来の生息環境を再現した、動物と環境と人にやさしい施設です。休園日は火曜日(火曜日が祝日の場合はその翌平日、年末年始は12月29日~1月1日)ですが、春休み期間と夏休み期間は休まず開園している、子どもたち思いの動物園です。

オスの「クリス」1 オスの「クリス」2

オスの「クリス」に手を振るとあっかんべーされましたが、あとで近寄ってきてくれました(2019年11月27日撮影)

 

ネコ科の動物は、 食肉目の中でも獲物を捕らえるために、身体能力が最も進化したグループです。 出し入れのできる鋭い爪に、大きなとがった犬歯そして迫力のある身体をじっくりと観察してみてください。 こちらでは屋外と屋内の展示施設でライオン、トラ、ヒョウ、ユキヒョウと4種類のネコ科の仲間たちを間近に観ることができます。ライオンはトラと並ぶネコ科最大の動物です。メスにはタテガミはありませんが、オスには立派なタテガミがあり、 頭部・肩・のど・胸・肘を覆っています。タテガミはおとなおオスの証拠であり、立派なタテガミになるには5~6年は かかるそうです。1頭の獲物を連携プレーで捕らえ、獲物を分け合います。またオスだけのグループも認められており、まだ力の弱い若いオスグループであることが多いようです。獲物の多くはヌーなどのレイヨウ類ですが、時には若いゾウやキリンなど大型の哺乳類も連携プレーでしとめることがあるようです。現在はオス「クリス」と、メス「アンニン」の2頭を屋外展示場と室内展示場で交代で観ることができます。屋外展示場の「ビューイングシェルター」からの眺めは迫力満点です。また給餌装置を使ったライオンの食事風景もぜひご覧ください。

メスの「アンニン」と見つめ合う(2019年11月27日撮影)

メスの「アンニン」と見つめ合う(2019年11月27日撮影)

 

トラは通常見られる黄褐色のトラと全身が白色であるホワイトタイガーを観ることができます。トラは寒帯から熱帯にわたり広く分布しています。寒帯のシベリア地方に生息する最も大きいといわれる「アムールトラ」は全長350cmを超えますが、熱帯地方の最も小さいといわれているものでは210cmしかないものもいるそうです。繁殖期以外は単独生活をしており、シカやイノシシなどを捕らえています。ネコ科の仲間では最大でとても力強いのですが、毛皮や漢方薬に使われることを目的にした密猟が行われ、絶滅の危機に瀕しています。現在はベンガル系のオスの「マドラス」と、アムールトラのオスの「ミタケ」に会えますよ。

「ミタケ」を見る小林さん 石を枕に昼寝中の「ミタケ」

石を枕に昼寝中の「ミタケ」(2019年11月27日撮影)

 

ホワイトタイガーは全身の体毛が白色ですが、種類としては通常のトラとなんらかわりません。通常のトラと比較するとその縞模様が薄かったり茶褐色となることが多いそうです。瞳が淡い青色(通常は黄褐色)で、肉球がピンク色(通常は黒色)であることなども間近で観察することができます。 かつてはインドの自然界にも生息していましたが、現在は飼育下でしか見られなくなったそうです。

ホワイトタイガー

ユキヒョウは単独で生活するヒョウの仲間で、昼間は岩陰などで休んでいることが多く、夜間に小型の哺乳類(ネズミなど)~中型の哺乳類(ヤギ・シカなど)、 鳥類などを捕らえて生活しています。標高数千メートル級の山岳地帯に生息しており、夏季は標高の高い場所(約4000メートル)へ、 冬季は比較的標高の低い場所(約1800メートル)へと移動しながら生活しています。寒さに適応するための長めの体毛や小さな耳介、太い四肢や尾などは特徴的です。 また足の裏にも毛が密集しているため、雪の斜面でも滑りにくくなっています。家畜を襲う害獣として駆除されたり、毛皮や薬として利用されてきたため、絶滅の危機に瀕しているそうです。

ユキヒョウ1 ユキヒョウ2

マーラは、南アメリカ大陸の「パンパ」と呼ばれる草原地帯に生息し、主としてイネ科の草を食べています。耳は大きめで、まるでウサギのようにも見えますが、実はネズミの仲間だそうです。マーラは日向ぼっこが大好きで、陽だまりで仲良く休憩している姿をよく見かけます。夜間は地面に掘った巣穴の中で休んでいるそうです。繁殖期には共同の巣穴の中で出産し、通常自分の子にだけ授乳をして育てるそうです。細長い四肢と、お尻の白色の毛は、まるで子ジカのようにも見えますね。そういう姿をガラス天井の特設通路からも観察することができます。

マーラ

レッサーパンダ

夜行性のため昼間は就寝中のレッサーパンダ「マリン」(2019年11月27日撮影)

 

レッサーパンダは、中国西部の標高が比較的高いところで生活しており、北陸の夏の暑さはちょっと苦手で、夏期は寝室内にエアコンをかけて過ごしやすくしているそうです。主食は笹やタケノコ、果実などですが、小動物・鳥の卵・昆虫なども食べる雑食性の動物です。 エサを食べる時は、前足の5本の指と手のひらにある突起を使って、片手でも器用にエサをつかんで食べることができます。夜行性であるため、昼間はお気に入りの木の上で寝ている姿をよく観察できます。ここでは中国西部に生息している「シセンレッサーパンダ」に会えます。オスの「アクア」とメスの「アヤメ」のペア、2頭の間に2014年に誕生した「マリン」、2015年に誕生したメスの「サン」、そして2018年に秋吉台自然動物公園からやって来た「ハル」の全部で5頭いますよ。

ブラッザモンキー1 ブラッザモンキー2

橙色の頭巾のような頭部のブラッザモンキー(2019年11月27日撮影)

 

ブラッザモンキーは、顔の毛色に特徴のあるサルで、頭部の橙色は頭巾のようであり、鼻から顎にかけての白色の毛がひげをたくわえたおじいさんのよう。オスの「ジープ」とメスの「ユミ」、そしてその子どもたちの「ジュンコ」・「ローリー」の4頭に会えますよ。

シロテナガザル1 シロテナガザル2

すぐ近寄ってきてくれるシロテテナガザルの「サクラ」(2019年11月27日撮影)

 

シロテテナガザルの名前の由来は、両手の毛色が白色であるためで、「白手テナガザル」となりました。樹上生活に適応しており、長い腕を左右交互に前方に出して木の枝を握り、まるで雲梯をするかのようにして前進します。 とても大きな声で呼び合ったり、合唱することがあり、周囲に自分たちの存在をアピールしています。現在親子4頭が仲良く生活している姿を観察できます。「ルーク」(黒色オス)と「サクラ」(茶褐色メス)は子育てが非常に上手な夫婦で、これまでに4頭の子どもが誕生しているそうです。

ワオキツネザル

まだ暖かい頃のワオキツネザル(2019年9月27日撮影)

 

ワオキツネザルは、最も原始的な原猿類の仲間で、とがった鼻と毛の多い顔で、一般的なサルの仲間(真猿)とは異なる顔つきとなっています。 名前の由来は、長い尾にいくつもの輪が連なっているように見える縞模様があるためで、「輪尾キツネザル」となったそうです。 体温調節があまり得意ではないため、冬場は広い柵のなかでも所狭しと一箇所に集まって暖をとる姿が。

寒いため暖の取れる場所に集まったユーモラスな姿のワオキツネザル(2019年11月27日撮影)

寒いため暖の取れる場所に集まったユーモラスな姿のワオキツネザル(2019年11月27日撮影)

 

訪れるすべての人に対してバリアフリーであり、また動物たちにとっても快適な場所となっています。動物園は歴史の中で、レジャー施設から、社会教育施設としての役割が重要視されるようになってきました。また、動物の繁殖に力を入れることはもちろんのこと、野生動物の保護活動にも貢献しています。

他の動物園にはない施設が、2016年11月19日にオープンしたこの「トキ里山館」です。エサをついばむトキを間近に観察したり、棚田風の湿地や樹木など、里山を再現した環境の中で、 トキが暮らす姿を観察することで、日本の里山で生活するその暮らしぶりを感じとることができます。 展示場に隣接する学習展示コーナーでは、トキの嘴や足などを他の鳥と比べたり、本物の羽を触ったりしながらトキのことを学ぶことができます。

トキ

全身はほぼ白色の羽毛で被われ、翼には朱色がかった桃色をした部分がありとても美しいです。 繁殖期には頚部にある黒灰色の分泌物を自ら塗りつけて上半身が黒灰色に変化します。 水浴びの時に塗りつける行為を行うため、水浴び直後はさらにその色が濃くなるようです。 一度は日本において絶滅してしまいましたが、さまざまな人々の努力により数も増え、 ついに本州最後の生息地であった石川県に戻ってくることができました。

繁殖期に入った時期のトキ。体を黒灰色に変化させる(2019年3月31日撮影)

繁殖期に入った時期のトキ。体を黒灰色に変化させる(2019年3月31日撮影)

 

シロフクロウは、北極圏のツンドラ地帯で生活している大型のフクロウです。 主に朝方や夕方に活動しますが、北極圏の夏は暗い夜がない白夜のため日中でも活動をし、 小型のネズミ類を捕食しています。 日本でも北海道でまれに見られることがあります。 成熟したオスは全身がほぼ純白色なのに対して、 メスや若鳥(オスメス共に)は黒色のしま模様があります。 メスの方がオスよりも体が大きいので、しま模様とあわせて雌雄判別がしやすいのもシロフクロウの特徴です。 ライチョウと同様に足の指まで羽毛が生えています。

シロフクロウ

「アシカアザラシのうみ」では、海や湖で生活している水棲哺乳類を展示しています。水量320トンの屋外展示プールでは、カリフォルニアアシカとゴマフアザラシの異種混合展示を行っています。施設は大きなプールで泳ぎ回る姿を、上方向から、そして横方向からも観察できるようになっていて、アシカとアザラシの体の形や泳ぎ方等を観察すると、いろいろな違いが発見できますよ。隣にある屋内展示プールでは、ゆったりと泳ぎ回るバイカルアザラシの展示を行っています。

カリフォルニアアシカとゴマフアザラシの異種混合展示

アシカと飼育員さん

カリフォルニアアシカ、メスの「ショコラ」です。アシカの仲間は前足を大きく前後に動かし、水をかくようにして前進します。後ろ足はあまり動かさず、舵取り程度しか動かしません。泳ぐスピードはすばやく、時速30kmものスピードで泳ぐことができます。海洋では魚類の他に、イカやタコも好んで食べているそうです。いしかわ動物園では主にサバを与えています。 メスは成長しても100kg程度ですが、オスは成長すると300kgを超える巨体となります。オスの頭頂部にはメスにないコブ状隆起が発達します。繁殖期にはアシカ特有の一夫多妻の「ハーレム」という集団をつくり、通常は陸上で交尾や分娩をします。メスの腹部を観察すると、4個の乳頭が観察できます。現在オスの「クー」とメスの「ショコラ」、2018年に誕生した「レオ」に会えますよ。

アシカ アザラシ

休日には来園したご家族や友人などとのんびりと過ごすことができるように、緑あふれる園内では多彩な催しが行われています。特に春と秋に行う「ふれあいまつり」や、夏と秋の夜に行う「ナイトズー」は人気のイベントなので、それに合わせて来園するのもいいですね。

ナイトズー1 ナイトズー2

動物たちにとっても、快適な場所となるような空間づくりがされていて、自然に近い環境が再現されているので観る側も安心して楽しめます。ここでしか買えないぬいぐるみやクッキーなど、たくさんのものが並べられているお土産コーナーも充実し、レストランやお弁当を食べられる休憩所も随所にあります。園内は広いので存分に楽しむためには一日かけてもいいくらい。子どもはもちろん大人でもじゅうぶん楽しめる、おすすめの動物園です。

小林さん

 

動画メッセージ

 

いしかわ動物園

入園料:一般840円、3歳以上中学生以下は410円
http://www.ishikawazoo.jp/

地図情報

いしかわ動物園

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産業交流部 観光交流課

電話番号:0761-58-2211 ファクス:0761-58-2297