龍花卉文農耕図盤 九谷庄三作
登録日:2019年4月1日
本作品は幅59.0cm×36.3cm、高さ7.4cmの楕円形を呈する大皿で、二重高台を付す。
珍しい形状である。「大日本 九谷庄三造 行年六十二」と銘があり、明治10年(1877年)、庄三晩年の作であることがわかる。同年に東京上野で開催された第一回内国勧業博覧会の出品目録には「錦手」「楕円形鉦鉢」とあり、本品を指すものと思われる。また、箱書きには「南紀徳川家」と記されている。
絵付けは、見込みに大きく穿たれた瓜文をはじめ花卉図や花鳥図、細描の雲龍図がみられる絢爛豪華な作風で、特に農耕図は田おこしから稲刈りまでの風景を表周縁部から裏面にかけて場面ごとに描く見応えのある内容となっている。