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鍋谷町(なべたにまち)

登録日:2019年7月1日

強い結束力で里山風景を守る町

 水田と里山が織りなす美しい日本の原風景が広がる鍋谷町。山の斜面沿いに細長く民家が並び、現在88世帯232人が暮らしています。町内にはコバルトブルーの水面が美しい景勝地として有名な蟹淵(がんぶち)があり、市指定文化財になっています。

 「訪れた方からきれいな里山風景と褒められるが、この景色を維持するために絶え間ない努力をしている」と語る町会長の辻さん。町内を回ると、限られた平地にきれいに区画整理された田畑が広がっていることに気づきます。先人の方々が、平地に散在する集落を山の斜面沿いに移した「家立(やだ)ち」という事業を実施した結果、現在のように広く農地を確保できるようになったそうです。この事業は1842年から15年間、ほぼ一日も休まずに行われました。おかげで、森に覆われていた地域に、多くの稲穂がなびく現在の里山風景が見られるようになりました。「家立ち」を発案した杉本庄兵衛(すぎもとしょうべい)氏の功績をたたえ、神社の境内には記念碑が建てられています。

 この先人達の結束力は、今も町民に受け継がれています。9月に開催する秋祭りでは、町民有志が約90人参加し、獅子が町内をくまなく回ります。また、寺畠町、仏大寺町と3町合同で子ども同士の交流行事も行っています。「町民がまとまり、災害などに強い町にしていきたい」と辻さんは話します。町民が結束し、自然と共存する住みよい環境を培ってきた鍋谷町。町民の努力の賜物として、現在の美しい里山風景が成り立っていると感じました。

鍋谷町の様子
斜面沿いに並ぶ民家と、区画整理された耕作地が特徴の鍋谷町。限られた平地を効率的に利用する町づくりが徹底されています。

(広報のみ2018年12月号より)

地図情報

鍋谷町の位置

お問い合わせ先

市長室

電話番号:0761-58-2202 ファクス:0761-58-2290