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下開発町(しもかいはつまち)

登録日:2019年7月1日

屋号で呼び合う間柄 方位姓が色濃く残る町

 主要地方道小松・鶴来線で徳久東の交差点を南に進むと、左手に下開発町が見えてきます。田畑に囲まれたこの町は、現在69世帯215人が暮らしています。

 町に入ると、徳久町との境に大きな切り株が見えました。「これは下開発町のシンボル『一本松』の跡。昔は標識が無かったのでこの木が町の目印だった」と、教えてくれたのは町会長の北さん。境松や天狗松とも呼ばれたこの木は、枯死したため伐採されてしまいましたが、今も住民に親しまれています。見晴らしが良い場所にあり、周辺にベンチが置かれているので、春にはここで健康ロードの桜をのんびりと眺めている人もいるそうです。

 町ではこの時期、子どもの田植え体験を行っています。子どもたちは泥だらけになりながら、もち米の苗を手植えし、秋の餅つき大会で収穫した米を味わいます。どちらも老人会が子どもたちに仕方を教えているそうです。

 下開発町は全国でも珍しい名字の町として知られています。その特徴は、町民の多くの方が「東、西、南、北、中」といった方位姓ということです。そのルーツは、明治時代、名字を決めるときに、住民が庄屋に相談し、家のある方位で名付けが決まったことにあります。北さんは「郵便配達員さんは困るよね」と苦笑い。混乱を避けるため、町では『屋号』という名字とは別の名で呼ぶ習慣が根付いています。「私の家はイチベイジと呼ばれています。ご先祖様が市兵衛といった名だったのでしょうね」脈々と続く屋号の習慣に、住民のつながりの深さを感じました。

下開発町の様子
一本松の跡。樹齢300年あまり、樹高18メートル、幹周34メートルの巨木だっという。切り株が現在も残り、その面影を伝えています。

(広報のみ2018年6月号より)

地図情報

下開発町の位置

お問い合わせ先

市長室 広報広聴課

電話番号:0761-58-2208 ファクス:0761-58-2290