道林町(どうりんまち)

若い世代の定住次々　弁慶謝罪の地として親しまれる町

　能美市の南西部に位置する道林町。町内にはパークゴルフ場や体育館、テニスコートなど健康増進に役立つ施設が集まっています。

　公民館へ向かうと、趣のある建物が目に飛び込んできました。「ここの公民館はお寺を模しているんですよ」町内会長の濱田さんが教えてくれました。かつて道林寺というお寺が地内にあり、公民館はそのイメージから作られたそうです。道林寺は、謡曲「安宅」や歌舞伎「勧進帳」に出てくる弁慶謝罪の地と伝承されています。主君義経を逃がすために機転を利かせ、義経を杖でたたく弁慶、弁慶を許す義経の物語はあまりにも有名です。

　取材時、町では秋祭りの獅子舞などの練習が行われていました。この町に伝わる伝統芸能「獅子舞ドットコセー節」は、大漁のときに神様に感謝をこめて歌ったものだと伝えられています。一日かけて町内を練り歩く姿やドットコセー節を歌う勇姿は見応えがある、と濱田さんは語気を強めます。

　町には現在、236世帯721人が暮らしています。根上南部保育園の開所に伴い定住者が増えてきているそうです。「ここ1年で家が10戸も増えた。そのうち多くが子育て世代なんです」濱田さんの表情が緩みます。

　年一回開催されるパークゴルフ大会は、町民の楽しみの一つ。子どもも大人も夢中でプレーしているそうです。「新しい人が移ってきているからこそ、行事などで親睦を深めていきたいですね」歴史が詰まった町に、新たな住民が加わることでどう変化していくのか、これからが楽しみです。

公民館の前にある「弁慶謝罪の地　義経・弁慶像」県外から訪れる観光客も多いといいます。

(広報のみ2017年11月号より)