牛島町(うしじままち)

豊穣の田園が広がる町　町民同士のふれあいが魅力

　能美市から小松市にかけての鍋谷川の右岸に、小松市に隣接する広い田園地帯があります。その先に牛島町があります。現在174世帯560人が暮らしています。牛島の地名は、昔の村の地形が牛の座った形に似ていたことや、農耕に役立つ牛を大切にし村が起こった伝説が残っていることが由来だと言い伝えられています。

　町会長の北村さんの案内で公民館の横にある「子ども図書館」へ。壁一面の本棚には、びっしりと児童書や図鑑が収まっています。「ここにある本は住民が持ち寄った本ばかり。協力してこれだけ集まったんや」子どもたちが喜ぶようにと随時新しい本も追加しているそうです。また、町には「土曜クラブ」とよばれる組織があり、小学生や保育園児を対象に年4回催しを企画しています。8月には八丁川で「生き物探検」を行いました。探検では川や生き物についての学習も必ずしているそうです。「今の子どもは川に入ることがないので、非常に喜んどる。大人の方も一緒になって喜んどるね」

　町独自の取り組みは子どもに対するもの以外も活発です。月に1回の「のみ活」の後に開かれるコーヒーサロンは、皆さんが外に出て交流するきっかけになればという思いから始まったもので、毎回20人程参加して楽しんでいます。

　「近年、町外で結婚し、夫や子とともに、地元で新居を建てるケースが増え、町が若返ってきた。これは交通のアクセスの良さもあるけれど、町民同士のふれあいが人を惹きつける魅力になっているのかなと思います」そういって微笑む北村さんの表情からは、町に対する誇りが感じられました。

能美市の文化財である「宮(めん)の島旧跡」。大長野の南東にあたるこの地にかつて牛島の村があったとされています。

(広報のみ2017年10月号より)