畿内五輪塔板碑
きないごりんとういたび
更新日:2024年11月27日
この板碑(いたび)は、西二口(にしふたくち)春日神社境内で発見されたものである。板状の石材を使用した塔婆(とうば)で、16世紀に供養塔として造立されたものと考えられる。頭部は山型を呈する。
碑面中央部に彫り出された塔は、線刻に近い型状を呈する。地・水・火輪の幅はほぼ等しく、9.2cmから9.6cm内におさまる。頭部は圭状を呈し、高さ8.5cmである。背面の整形は粗い。
五輪塔所刻板碑は、日本海側にその分布が集中しており、注目される。周辺では小松市安宅(あたか)町に3基確認されており、市内の五間堂伽羅倶(ごけんどうからく)神社にあるものを除き、いずれも安山岩が使用されていることは、凝灰岩(ぎょうかいがん)文化圏であるこの地方において異質な存在として注目される。
高さ41.5cm×幅18.7cm×厚さ6.7cm