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絹本著色白山曼荼羅図

登録日:2020年3月7日

曼荼羅図左曼荼羅図中央曼荼羅図右

 この白山曼荼羅図は3幅合わせて1図とし、白山とその境域とを景観描写的に表している。図中各所には短冊型に、その場所名を書き入れている。幅背には「寛政元年己酉秋九月穀旦 加賀国金沢府下之匠司 清水治左衛門尉峯充 奉納焉 芸台南肇敬書」の墨書銘がある。

 寛政元年(1789年)9月に、白山比咩神社本殿の建立などに関わった加賀藩御用大工の清水峯充が寄進したもので、筆者は金沢の郷土史家楠部肇と考えられている。白山の遠望は、なだらかで女性的ではあるが、富士山・立山とともに三名山とされ、主峰の御前峰は2,702mで、白山比咩神社奥宮がある。白山三馬場(加賀馬場・越前馬場・美濃馬場)のうち、加賀馬場(禅定道)と白山三所権現(御前峰・大汝峰・別山)の仏神の座とされた主峰群を描いている。

 白山三所権現といわれたのは、この御前峰の白山妙理権現(菊理姫命。本地は十一面観音)と大汝峰の越南知権現(大己貴命。本地は阿弥陀如来)と別山の別山大行事(大山祇命。本地は聖観音)の三神三仏である。この図は、右側に別山を置き、中央に御前峰(大御前)、左側に大汝峰(御内陣)を描き、朱色の点線で禅定道を表現しており、図の中程に加賀室・越前室・美濃室がみえる。

 この白山曼荼羅図は参詣曼荼羅として、絵解きに使用されたようであり、開山の僧泰澄の伝説や女人禁制にまつわる話が随所に描かれている。法量・構図ともにスケールが雄大で絹本賦彩、写実的な山水景観が生き生きと写されている貴重な史料である。

絹本著色。3幅。1幅縦159.5cm、横81.0cm

曼荼羅図左拡大

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