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古今和歌集(清輔本)

こきんわかしゅう(きよすけぼん)

更新日:2024年11月26日

書影

 古今和歌集は、延喜5年(905年)に醍醐天皇の勅命によって、紀伴則(きのとものり)・紀貫之(きのつらゆき)・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・壬生忠峯(みぶのただみね)の4人の撰者となった。万葉集に未掲載の古歌や当時の新歌など1500首を集めて編集した歌集で、勅撰集の第1号である。成立説は、延喜8年(908年)から翌9年(909年)説、延喜13年(913年)から翌14年(914年)説があり、異本も多いが、本書は2冊からなり、春夏秋冬・賀・離別・覊旅・物名・恋・哀傷・雑・雑体に分類され、収められている。

 「ながらへば またこのころや しのばれむ 憂しとみし世ぞ 今は恋しき」の作者で、優れた歌学者でもあった藤原清輔(ふじわらのきよすけ。1104年生~1177年没)が書写した「清輔本」を、更に鎌倉時代の歌人源家長(みなもとのいえなが)が建仁元年(1201年)に筆写したものである。流布本の「定家本」とは内容に違いがある。

 なお、表紙には、雲形に金銀砂子を散らした綴葉装(てつようそう)仕立てで、雲母引(きらびき)の紙に平仮名まじりの和歌が書かれ、平安時代の優美さ、繊細さに溢れた歌集である。

 元は加賀前田家に伝世したとされる名品である。

 

紙本墨書。2帖

縦24.7cm×横15.7cm

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