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関白内大臣家歌合

登録日:2019年4月1日

関白内大臣家歌合

 歌合は、左と右に分かれた歌人の詠んだ歌を1首ずつ組み合わせて比較し、その優劣を判者が判定して楽しむ宮廷の文学的遊戯で、平安初期以降、宮廷や貴族間で流行した。

 本巻の巻頭には、「関白内大臣家歌合 保安二年九月十二日」と記されており、永久3年(1115年)に内大臣、次いで保安2年(1121年)3月5日に関白となったばかりの藤原忠通(1097年生~1164年没)の屋敷で行われた歌合の内容を記したものである。忠通は政治家としてだけでなく、能書家としても知られ、書風は法性寺流として後世に伝えられている。

 奥書によれば、藤原基俊(1056年生~1142年没)の自筆本とする。基俊は藤原道長の曽孫で、歌・詞文の作者と歌学では源俊頼(1055年生~1129年没)と並び称されるほど著名で、当時の優れた歌会の判者であった。

 歌合の題は山月・野風・庭露・恋があり、歌人は源俊頼など左右7名ずつ、判者は「前左衛門佐基俊」と記されている。

前田家旧蔵。紙本墨書。全長825.7cm、幅26.2cm

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