御消息(宣如)
ごしょうそく(せんにょ)
更新日:2025年3月14日
この消息文は、東本願寺(大谷派)13代宣如(せんにょ。1604年生~1658年没)が称仏寺へ宛てたもので、市内に残る消息文としては、比較的古い時代のものである。
【読み下し文】
「加州能美郡尼入中
宣如」
わざと筆を染め候。そもそも一流の安心と云ふは、南無阿弥陀仏の六字の外は有るべからず候。されば南無の二字は帰名の心なり。帰名の心起る時、摂取の光益にあづからしめ給ふを、阿弥陀仏とは申すなり。故に、一心一向に助け給へと弥陀を頼み奉るとき、往生は一定と思ひて疑ひなきを、信心決定の行者とは申すなり。さて、この上には如来大悲の恩得の深きことを念じ、一期の間は行往座臥、時処諸線をきらわず、称名念仏すべきばかりに候。穴堅々々。
七月二十四日 宣如 印