狭野神社俳句扁額
登録日:2019年4月1日
この扁額は、松の一枚板に52人の52句の俳句が献句されており、右側には「ざくろに鳥」の絵が描かれている。その技法は南画系の骨描きなしの、いわゆる「つきたて」で描かれている。
制作されたのは明治14年(1881年)であり、俳句革新運動が起こる明治24年よりも古い。地元の俳人達が句会を催し、扁額にして地元の狭野(さの)神社に奉納したことは、当時のこの地域の文化意識の高さを示す貴重な資料であるといえよう。
献句した52人のうち、町内からは佐野7人、寺井6人で、他は町外の者である。彼らの努力によって、後に佐野の薫風会、寺井では興風会が誕生した。
市内で最も古く、この地域の俳壇の草分けの時代を物語る貴重な資料である。