狭野神社俳句扁額
さのじんじゃはいくへんがく
更新日:2025年6月2日
この扁額は、松の1枚板に52人の俳句が献句されており、右側には「ざくろに鳥」の絵が描かれている。その技法は南画系の骨描きなしの、いわゆる「つきたて」で描かれている。
制作されたのは明治14年(1881年)であり、同24年(1891年)の俳句革新運動が起こる以前のものである。地元の俳人達が句会を催し、扁額にして地元の狭野(さの)神社に奉納したことは、当時のこの地域の文化意識の高さを示すといえよう。
献句した52人には、佐野村から7人、寺井村から6人が含まれ、彼らの活躍によって、後に佐野の薫風会、寺井では興風会が誕生した。
市内で最も古く俳句扁額は、この地域の俳壇の草分けの時代を物語る資料である。