牧野伝三郎の扁額
まきのでんざぶろうのへんがく
更新日:2025年6月2日
牧野伝三郎は、十村牧野家の8代孫七の末弟で、「由之(ゆし)」「逸丈庵丁々堂」「逸美」と号した。和歌・俳句だけでなく、華道・茶道・書道・囲碁・謡曲も嗜む文化人だった。
江戸末期の寺井地方の文化の振興に大きな影響を与えた人物だが、彼の資料は非常に少なく、この扁額は彼の遺作の1つである。扁額には神功皇后の三韓出兵の図が描かれ、次の謡が記されている。
うろくすも 影をとどめて また更に われを照らせる 鏡やわある
夫れおもん見れば、性を乾坤の気に受け、徳を陰陽の間に保ち、信を専らにして仏に遣ひ、慎をいたして神を敬天尊地の礼を知る、是非得失の品を弁る、是偏に神明の広恩なり、因茲に単徴の幣帛を捧げ、自ら神明の法楽に備入、諸衆の感嘆を為すを神の納受を知ると為すなり、再拝啓伯