御消息(教如)
ごしょうそく(きょうにょ)
更新日:2025年3月14日
東本願寺(大谷派)第12世教如(きょうにょ。1558年生~1614年没)の門主消息は、懇志礼と信仰のあり方を示すものとして「門徒待ち」教団にとって、門主と門徒を結び付ける極めて重要なものである。
このご消息は、市内に現存するもので最も古く、当市の真宗布教の寺壇形成を示す史料として、また、当市域の特色を表す古文書として重要な史料である。
【読み下し文】
「加州能美郡中組六日講中
教如」
志として銀子百目到来に候。懇情の至り悦び入り候。そもそも一流勧化の趣は、なにのわずらひもなく、雑行雑修を捨て、一心一向に弥陀如来、後生たすけ給へとたのみ申す人々は、浄土に往生すべき事。努力の疑いあるべからず候。かくのごとく信決定め候には、行住座臥に念仏を申べく候。これを即ち仏恩報謝の念仏なりと心得られ候て、間断無く申され候へく候。この通り細々に各談合候て、よくよく嗜み肝要にて候。なお粟津右近申すべく候。穴賢々々。
二月十九日 教如
加州能美郡中組六日講中