下徳山町(しもとくさんまち)

緑の丘陵に恵まれた三つのまちは家族のように

　汗ばむ陽気の5月下旬、下徳山町では、毎年恒例の芝桜の植栽が行われました。芝桜は植えた後の手入れも手間がかかります。同町では「下徳山農地・水・環境保全事業」を活用し、町の有志が芝桜の手入れをしています。数年後には、下徳山町に美しい芝桜街道が完成する予定です。

　能美市の中央に位置し、町の東には加賀産業開発道路が通る下徳山町。町外へのアクセスも良く、現在113世帯367人が暮らしています。

　住宅地開発の進んだ下徳山では、「ホームタウン徳山」と「ホームランドフォレスト」という二つの新興住宅地が並びます。

　「昔とはだいぶ雰囲気が変わりましたね」と話すのは町会長の賀家さん。在所の児童数は減り、高齢化が進む一方で、タウンとランドに若い家族がたくさん移住したため、同町の働き世代や児童数は増加しています。

　その一方で、昔と変わらない景色も見ることができます。7月下旬に行われる虫送りです。子どもたちが、各々の家庭で飲料缶を用いた手作りのたいまつを作り、町の中央を通る田んぼ道に行列を作り行進します。

　夏の夜、約50個のたいまつの灯りが闇に並んでいる様は大変幻想的で美しく、同町の夏の風物詩となっています。虫送りの後はバーベキュー大会が行われ、町民が交流するひと時となっています。

　在所、タウン、ランド。三つのまちで助け合い、協力していきたいと賀家さんは話します。世代の違う三つのまちが寄り添う様子は、なんだか家族のように感じました。

虫送りの準備の様子。虫送りは、作物に付く害虫を追い払い、豊作を祈願する行事で、同町では子どもたちが中心に行われます。

(広報のみ2018年7月号より)